お菓子の幻想、風防ガラスの甘い香り

終戦前後のころ、だれかが持っていたガラスの破片がクラスをゆさぶる大事件になりました。

お菓子の香りがするガラス

 

ふーぼう(風防)ガラスと言うそうで、美味しい、美味しいという感嘆の声に誘われ、厚い半透明のかけらを渡されました。

言われるまま、机キュッキュッとこすりつけ、匂いを嗅いでみました。

快いまでの甘い香りがしてくるのです。

高級なお菓子の香りが、鼻の奥をとおり、脳天を付きぬけ、子供はまるで夢のお菓子の国へ運ばれたような、錯覚に簡単に陥りました。

主食も不足している時代に、お菓子は贅沢品と決めつけられ、あきらめていたのに、この芳醇な甘い香りに飛びつきました。

お菓子なんて簡単に手に入らない時代ですし、ほとんど商品もありません。

夢でもいい、香りだけでいい、みんな思いはひとつ。

食べたつもりになろう。

風防ガラスを持っている子は、みんなに貸し出しをしてくれ、家に持って帰りました。

小さい破片をなくさないように、ハンカチに包みカバンの底にしまい、家族にも美味しい思いを分けあたえ、次の日、所有者にお返ししたものです。

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何故、甘い香りがしたのか?

 

戦闘機のガラス部分が風防ガラスだった!?

当時は、戦闘機が墜落したときのガラスだと思われます。
ガラスは、アクリルの素材(ガラスに混ざった不純物やセルロイド)の成分が、布などで擦ると柑橘系のほのかに甘い匂いがしたといわれていますが、その真意は未だに定かではないとされています。